PROJECT
02

購買データ分析から調達の最適解を導くとともに、
範囲拡大とグループのつながりの強化を目指す。

OUTLINE
日本のSI(システムインテグレーション)企業として最大規模を誇り、ハードウェアやソフトウェアを含めたシステム開発やサービス提供を行うNTTデータグループ。顧客への最適なソリューション提供に向けた各社の事業の中では、年間約10万件以上の購買・調達活動が行われ、その金額は約数千億円にものぼる。そこで、適正価格から相場の提示、さらには最適な購入方法までサポートすることを目的として生まれたのが、調達コンサルティングプロジェクトだ。2014年頃からはじまった本プロジェクトでは、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを用いて、グループ全体の膨大な購買データの見える化を実現。各社における最適な購買手段や情報の提供を行っている。また、近年のNTTデータグループにおけるM&Aやグループ各社の再編成などの状況を踏まえ、プロジェクト内に新たに立ち上がったのが、調達アセスメントチームだ。これまでの調達コンサルティングの事例を活用し、ターゲットとなる新たに設立されたグループ会社にサービスを展開・拡大していくことを狙いとする。グループ全体の適切な購買活動の支援、さらには受注拡大、利益改善への貢献に向けた取り組みとして、社内でも注目度の高いプロジェクトだ。

PROFILE

原 祐輝
購買事業部
契約担当
2010年入社 課長代理

新卒で入社以来、購買事業部にて5年ほどグループ各社への購買システムの導入促進に携わり、以降調達コンサルティングサービスを推進。現在は、調達アセスメントチームのリーダーとして、グループの新規のお客様への展開を行う。

松岡 優
購買事業部
契約担当
2011年入社 課長

中途で入社以降、3年ほど購買事業部内で発注・審査業務に携わる。4年目以降、調達コンサルティングサービスを立ち上げ、現在もメンバーを率いてプロジェクトを推進している。

CHAPTER / 01

最適解を探る鍵は、購買情報の “見える化”

松岡さんは、この調達コンサルティングサービスのプロジェクトがはじまった当初から携わられていますよね。
松岡
そうなんです。早いもので、7年ほど立ちますね。本プロジェクトは、バラバラだったNTTデータグループ各社の見積書や品番の表記などの統一からスタートしました。最初は、各社のPDFデータを確認しながらの標準化やBIツールの構築など、ベースづくりに苦労しましたね。経営層に向けて、約100万件の購買データを“見える化”するメリットや効果を論理的に数字で提示することで、なんとかツール構築の承認を得て、ここまで来ることができました。そして、現在私はこのツールを活用し、既存のNTTデータグループのお客様に向けて購買コスト削減のご提案を行っています。その一方で、新たなグループ内のお客様をターゲットに、拡大に取り組んでいるのが原さん率いる調達アセスメントチームですよね。
はい。私も元々は松岡さんと同じく、調達コンサルティングの推進を行っていましたが、M&Aや再編成によってNTTデータグループ内に新しく設立された会社に向けてアプローチを行うべく、2022年度より調達アセスメントチームを立ち上げました。こうしたお客様に対してまず行っているのは、「貴社がどのような調達状況にあるのかを見える化して、状況を把握しませんか?」というご提案です。自社の調達状況を把握されている購買のご担当者様は中々いませんし、実際に他社と比較する機会もめったにないと思うので、興味を持ってくださる方は多いですね。それをきっかけに、お客様の会社の経営層の方々にも私たちのサービスを知っていただくことで、購買・調達活動を根本から改善していけたらと考えています。
松岡
この調達コンサルティングサービスは、いわゆる“購買・調達における健康診断”ですよね。購買データを見える化することで、どこに異常があるのかが分かる。そこからさらに詳しく調査した上で、どう解決していけばいいのかを記した処方箋をお出しするイメージが近いように思います。
まさに松岡さんの言う通りだと思います。また、NTTデータグループ全体の購買データから算出できるベンチマークは、当社ならではの強みですよね。同じグループ会社が比較対象だからこそ、お客様の中にも「他のグループ会社と足並みを揃えよう」という意識も生まれますし、私たちの提案に対する納得感も高いのだと思います。

CHAPTER / 02

要望をチャンスと捉え、新たなサービスを創出していく

これまではハードウェアやソフトウェアなどの「モノ」を中心にしていた調達コンサルティングサービスですが、ここ最近では業務委託などに関するご相談も増えてきましたよね。NTTデータグループはSIを中心とした企業が多く、自社業務を他社に委託する割合が多いことから生まれた課題だと感じています。また、新しいグループ会社の方々にも、「他の会社は、どこに何をどれくらいの費用で発注しているのか」といった情報を求められることは多いですね。こうした情報についてもBIツールに落とし込んで分析していくことが、今後のポイントにもなってくるかと考えています。
松岡
そうですね。あわせて、委託している金額が妥当かどうかを知りたいというお客様も多いですよね。業務委託に関するデータも集まってきていますので、それを今後、お客様にご提案できる形にしていくことが私たちの使命でもあると考えています。加えて、こうした業務の幅を広げる活動は、アセスメントチームを立ち上げた目的の一つです。そのため、何事も「できません」と拒否するのではなく、どうすれば実現できるのかを考えて行動していきたいですね。
松岡さんの言う通り、業務拡大は私たちのミッションでもありますので、お客様からの新しいご要望を大きなチャンスと捉え、最適解を考えていければと思います。また、私たちは日々、お客様に感動してもらえるようなサービスの提供を心がけています。お客様のパートナーとして寄り添い、同じ目線で物事を考え、ともに課題解決に向けて取り組むことで、少しでも「このサービスに投資してよかった」と思ってもらえたら嬉しいですね。
松岡
いいですね。その結果、「ここまでやってもらえるとは思っていませんでした」なんて言葉をいただけるとさらに嬉しいですよね。私たちとしては当たり前のサービスを提供していたつもりが、それ以上に価値を感じてもらえた証拠だと思っています。原さんは、お客様のお悩みを聞く上で意識していることなどありますか?
やはりみなさん、似たような課題をお持ちなので、他社の課題を共有しながらお悩みに共感することでしょうか。お客様にとっても「理解してもらえている」という安心感が生まれるので、心をより開いてくださるんですよね。すると会話も一気に弾みますので、情報を引き出しやすくもなると実感しているところです。

CHAPTER / 03

グループ内での購買情報の共有から、横のつながりを生み出す

松岡
私はこの調達コンサルティングサービスを通じて、数字を算出した上でロジカルに費用対効果を伝えることができれば、どんな方にもサービスの価値を感じていただけることを、身を持って実感しました。加えて、グループ会社の経営層の方々にご提案させていただく機会も多いので、その経験は自信につながっていますね。
たしかに、このプロジェクトに携わっていると経営者層の方々とお話しさせていただく機会は多いですよね。そのおかげで、経営者目線を養うことができていると私も実感しています。また、経営層からは数字での結論を求められる一方、現場では何をどう解決したら良いのかという具体策を求められることが多いです。このように、両者の目線を培った上でご提案を考えられるというのは、私自身の力にもなっていますし、貴重な経験をさせてもらっていると思います。
松岡
本当に、経営層の方々にお会いできるプロジェクトは中々ありませんから、自分の人生経験としても非常に役立ちますよね。また、現場の目線もしっかり学べるのは良いことだと思います。そんなこのプロジェクトは、どのようにしてNTTデータグループに貢献できていると原さんは考えていますか?
当社はシェアードサービスをベースに歩んできた会社ですが、ここ数年は単なる業務受託ではなく、コンサルティングやコンシェルジュという立場で、お客様の課題解決に向けた取り組みに尽力しています。そうした背景の中、このプロジェクトはその取り組みを牽引しているとともに、グループ内のお客様の利益改善にも貢献できているのではないかと思います。松岡さんはどのように感じられていますか?
松岡
私は、NTTデータグループ内の横のつながりを強くする取り組みになっていると感じています。これまで、個々の事業に特化させるために会社を分けることはあっても、その後、横のつながりを強化する動きは少なかったと思うんです。現在、NTT全体でも「One NTT」が叫ばれている中で、私たちはこれをNTTデータグループ内の購買・調達領域から実現できる立場にあるのではないでしょうか。
なるほど、そうかもしれません。だからこそ、NTTデータグループ全体を俯瞰しながら、各会社の情報を共有していくことが大事になってくるのでしょうね。これからも、物事の根本を見極めながら、お客様の課題を着実に解決していくサービスにできるよう努めていきます。
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